消費者金融の全盛期
消費者金融の勢いがあった時代は80年代のバブル期と90年代後半です。
80年代は単純に景気が良くて、お金を後先考えずに使う人がたくさんいました。
給料は上がっていく一方だし、年に2回は大きなボーナスが必ず入る。
このように楽観して浪費を続けてもバブル景気であれば成り立っていました。
バブル世代を知っている人であれば、歴代でもっとも多くお金が動いて消費者金融も絶頂だったと思うかもしれませんが、消費者金融の売上や利益ベースで見ると90年代後半の方がバブル期よりも高い数字を出しています。
90年代後半が全盛期だった理由
ターニングポイントになったのは、インターネットの普及です。
現代のように、スマホはないですし、ノートパソコンを使って屋外でネットをしている人も少なかったですが、業務用としてのネット普及率は向上してサービスに革新を与えました。
従来は消費者金融を利用する場合は店舗に行くか郵送で手続きしないとできませんでした。
インターネットによって自動契約コーナーが普及するなどして消費者金融を手軽に利用できる変化があり、当時は携帯電話のi-mode(簡易ネットプラウザ)でも最低限の申込フォームを送る機能もつきました。
利便性が大幅に向上したことで利用者が拡大し、さらに各消費者金融はテレビCMをはじめ積極的な広告戦略をかけて、あたかも借金は当たり前のサービスといった印象を世間全体に与えました。
さらに現代のようにSNSの普及もしていなくて、コンプライアンス違反をしても炎上しないですし、利用する注意点やトラブル事例の情報もネット上では出回っていませんでした。
今であれば、CMを見て興味を持ったサービスは、利用する前にスマホで評判を調べることも当たり前ですが、当時は広告を見て何も考えずに利用する方が多かったです。
後に問題となるグレーゾーン金利の適用や、支払いのできなくなった人への過剰な取り立て行為も当たり前の時代でした。
現在と比べて利用者数・売上・貸付金の全てが多く、金利も高額だったので利益率も高く、違法な取り立てによって貸し倒れも少ない消費者金融にとっては夢のような時代だったとされています。
結果的に、グレーゾーン金利は最高裁で違法とする判決が出て過払い金問題が発生してしまい、違法な取り立てもすぐに行政処分を受ける時代に変化していきます。
ちなみにクレジットカードのキャッシング金利もグレーゾーン金利を適用されていて、一部では過払い金返還を行っている事例もあります。
しかし、クレジットカードの主な収入源は代理店(カード払いできる店)からの決済手数料でキャッシングによる利息は全体のごく一部だったため、経営に大きな支障をきたす信販会社はありませんでした。